ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門(80年代後期〜90年代)
アウトプットにはインプットが重要だ。今日は読書感想文を。
読んだ本はライムスター宇多丸の「ラップ史」入門だ。
前回に続き今回は80年代後期〜90年代後期についてです。
- どんな本なのかというと
NHK-FMで2018年1月8日に10時間に渡って収録された「今日は一日"RAP"三昧」という番組の内容を書籍化されたいます。大枠の時系列に日本語ラップ・アメリカのラップのシーンについてライムスター宇多丸が司会を努め有識者が語るという形で番組は進みます。
ピックアップされているアーティストは原則誰もが知っているような有名アーティストが選ばれており私のようなあまり詳しくないヒップホップ好きににもつつきやすい内容になっており、全くヒップホップを知らないリスナーにとっては基本編的な内容となっています。とは言え要所要所に織り込まれるエピソードなどは初めて聞くものも多々あり、玄人も楽しめる内容となっています。
本書を振り返りつつ主要な楽曲をペタペタと貼っていきたいと思います。
※ラジオ収録でかかった曲の一部をyoutubeで探して持ってきていたら結構なボリュームになってしまったので本書の章立てに分けて別記事で投稿することにしました。
- 80年代後期〜90年代後期
この章ではネイティブタンの話から始まります。
1990リリースのアルバムからtribe call questのcan i kick it。当時PVを見る手段もなく新宿のリキッドルームで初めてライブ見たときにQTIPの肩幅が異様に広くて肩パットいれてるのかな?ってそればっか気になっててライブに集中できなかった記憶が。
今見るとリアルに肩幅ひろいんだなっていうw あたまいい系のHIPHOP。
一方同時期に台頭した悪い系のラップについても話が広がります。
サウスに波及したギャングスタラップ。ゲトーボーイズ。
このジャケット、ジャケット用に作ったものだと思ってたんだけど本当に銃でうたれて病院に運び込まれたときの写真だという。頭おかしいですね。。。
MCハマーやICE-Tなどのラッパーがポップヒットしたのもこの頃でハードコアに回帰するアーティストたちの代表としてノーティーバイネイチャーを上げてます。
なつかしいな。高校生がクラブを貸し切ってパーティーするのが流行ってこの曲かかると死ぬほど盛り上がったなー。
ジャンプアラウンドの日本語カバー。これ歌ってるDoberman InfinityのSWAYはむかーし遊学先のトロントで仲良くなって一緒に曲作ったりしてた年齢の離れたお友達。有名になっちゃって連絡しずらいけどたまには会いたいな。
1991年ロックとヒップホップが近づいた年とのこと。たしかにロック好きの中学生だった自分がこの辺からヒップホップが気になりだした記憶が。クラスで隣の席になった当時メタルオタクだった山ちゃんがこれ貸してくれたなー。アンスラックスとかヘルメットきかないのー?なんつってなついなー。
そして1992年リリースのこちら、ビースティーは自分たちで演奏もするしラップもかっこいいし服とか言動もかっこよくて。スケートボードに夢中だったパンク少年のワタシはそのファッション、音楽性全てにドハマリしました。
90年代Dr.Dre Snoopを筆頭とするGファンクと呼ばれるサウンドが一斉を風靡しました。その頃少年だった私は、俺はニューヨークのヒップホップしか聞かない!という謎のイキり方をしていました。もしタイムマシーンがあるなら少年時代に自分に往復ビンタを食らわせ長時間に渡る説教をほどこしたいくらいです。
着こなしがウェッサイ。かっけー!!!
一方日本語ラップはこの時代、80年代の日本語ラッパー世代からフェーズが変わってきます。 英語的なフローを同日本語に落とし込むかというアプローチをしていくという流れが出てきます。
うわーめっちゃ色んな人でとるー!!高城剛、フリッパーズ・ギター、桜沢えりか、岡崎京子、高橋幸宏、泉麻人。初めてみました。このMV。こうゆう出会いがあるからブログ書いてみてよかったなって思う。
1994年大ヒットしたDA.YO.NE。これをタモリがラジオで聞いて日本語への置き換えが知的だと評したといいます。ジョージ・ベンソンが来日した際にこの曲を聞きサンプリング問題に発展したとのこと。サンプリング問題の先駆けソングでもあるわけです。EAST ENDは当時ライムスターと一緒にFGグラマーでイベントをやっていました。
日本語ラップ最大の起爆剤Microphone Pager。イースト・エンド、SDPとは対局の不満をラップで表現しています。面白いのは相反するスタイルではあるものの同じシーンから出てきたことと宇多丸氏も話ています。
高校生のときに予備校で友達になったL2Dのイーモトロール氏に借りたカセットテープにMicrophone Pagerが入っててドハマリしたのが日本語ラップにハマったきっかけだった気がしてきました。昔過ぎて記憶が曖昧ですが(爆)
ここからインフルエンザのため電話出演のZeebraへのインタビューが始まります。
当時の日本語ラップはUSのヒップホップと一緒に流行っていて現在はその空気がなく、USヒップホップがかつて、日本のヒップホップが流行ったときのように流行っていない。その当時はZeebraたちが布教していたとのこと。私は当時この世代の日本人ラッパー達にガッツリ布教されてた側だったのですごくわかります。日本ラップと英語ラップを50:50くらいので割合で聞いていた気がします。
この曲が入ったアルバムも先述のイーモトロールに借りて初めて耳にしました。今聞いてもあのときの衝撃と熱い気持ちが滾ります。
見まわそうがなぜかyoutubeになかったのでitunesのリンクはります。以下のリンクだと冒頭しかきけないのですが、apple musicにもあるので必ず全部きいてください。ちゅーか、アルバム通してすべての曲に思い入れがある。
うわー、やっぱKGかっこいい!!ついでにボブ・ジェームスの元ネタもペタし。0:15あたり。これ知らないで買ってて見つけたときめっちゃ嬉しかったなー。あの頃のヒップホップってこうやって古い音楽も平行して詳しくなれて本当楽しかったな。バイト代は全部レコードにつぎ込んでたけど全く躊躇なかったもんなー。
下北方面ということでキミドリが紹介されています。
クロオビことイシグロさんは今もなお1drink名義でDJとして活動されていてめちゃくちゃかっこよくて大好きです。
90年代を代表する日本語ラップクラシックLAMP EYE(雷)の証言。もちろん私も歌詞暗記してます。全員分ソラで歌えますw
この頃さんぴんキャンプという日本語ラップの盛り上がりの象徴となるイベントについてふれています。このイベントに立ち会えたのは僕の自慢の思い出です。コンビニでビール買いたいって我儘言って大怪我のところがみれなくて、一緒に行った友達に数年間文句言わ続けた苦い思い出も。下のが見逃した箇所。今見直したけど今となってはECDもオオスミもデブラージももういないんだなって。単純に寂しいし、時間は戻せないんだなって感慨深いです。こうしてyoutubeで思い立って見返せるのすごくありがたいです。
本書ではふれらてないけど自分にとって本当に思い入れがあるのはこの曲。
you the rockのhiphop night flightでこの曲がかかったときは寝落ちしてたんだけどこの曲がかかってるときに偶然目をさましてラジカセにかじりついた記憶は今でも鮮明に思い出せる。もちろんトラックがかっこいいっていうのもあるけどここまでラップで衝撃受けたのって他にないかなっていう。このときみたいな衝撃をまた味わいたいから今もひつこく音楽聴き続けてるのかなって。今も聞きながら書いていますがあの頃の衝撃がありありと蘇ります。合掌。
そして収録ではスタジオライブがあったライムスターのB-BOYイズム。この曲も夢中になって聞いてたな。つーか、この時代は出る曲出る曲全力で繰り返し聞いてて学生で貧乏だったけどどのインプットも新鮮で、音楽的にすごく幸せな気がします。我が青春。